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2018年12月21日 (金)

市田柿乾燥工程の機械化

みなみ信州農業協同組合が運営する市田柿工房(高森町)では乾燥工程を科学的なアプローチによって確立した市田柿専用の乾燥機がある。

信州大学工学部と一般社団法人 長野県農村工業研究所が平成21年度から開発を進め、平成27年4月に製法特許を取得した機械乾燥法で、平成24年度から実施している。

Photo

これまでの乾燥法(室内やビニールハウス)

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従来の天日乾燥では30~40日間はかかるが、機械乾燥法だと4~5日間の乾燥で済む。機械化することにより、

  • 乾燥時間が短縮できる
  • 乾燥時における天候の影響を受けにくい
  • 温度・湿度の管理が容易で、「カビ」発生リスクを低減できる
  • 労働力、人件費等が削減できる
  • 安定した供給が可能になる

などのメリットが生まれる。

そのメリットを活用し、同工房では生産者から生柿を受入れ皮むきから市田柿への仕上げ、包装までの一連の作業も行っている。

これは、

  1. 生産者の高齢化に伴う負担の軽減、
  2. 商品としての市田柿の継続的な生産にもつながる

という大きな意味を持つ。

しかし現役でバリバリの柿農家さんにとっては、経験と熟練を要する乾燥工程が期間の短縮に加え、天候にも左右されないとなると、旧来のやり方での生産意欲が減退してしまうのではないかと懸念する。

柿農家さんは、生産から完成品までに関わってこそ、やりがいを感じるのであって、原料だけを出して完成品をみないことに抵抗が出るのではないだろうか?早い話、原料の供給者だけになってしまう。

生柿の供給だけでは、価格をたたかれ収入の減少になってしまう。利益を得るのはみなみ信州農業協同組合、そんな構図も予想される。

そんな懸念を払しょくするには、柿農家さんが機械式乾燥機を自前で持てばいいのだが、おそらく価格面で難しいだろう。

乾燥作業の機械化は、安定した供給と労働力などの省力化につながるので今後ますますその傾向は強まるだろう。これが時代の流れなのかもしれないが虚しいことでもある

そうなると、柿農家さんは生柿の栽培だけでなく、リンゴ、モモ、サクランボ等の果樹栽培に移行していくかもしれない。そして将来、市田柿は栽培から仕上げ完成までをJAがすべて行い「市田柿はJAみなみ信州が独り占め」ということになってしまうのかな?

温故知新、古きをたずねて新しきを知る。旧来の方法を解析しそれに科学的なアプローチを加え、新しいものを生み出す。言葉はカッコいいが虚しさもそこに宿っている。

懸念していることが起こらないよう願ってやまない。なにか特効薬はないかな。

お気に入りの曲

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Love potion number 9 - The Searchers

この曲は最初、邦題「恋の特効薬」でリリースされたが後に原題と同じになった経緯がある。

https://www.youtube.com/watch?v=7rXhXLsNJL8

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